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― 手相漢方(8) ―

 今回は脳卒中について解説します。脳卒中は、正式には脳血管障害とよばれる病気です。脳卒中はいくつかの種類がありますが、大きくは脳の血管がつまる脳梗塞と、脳の血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血に分けられます。脳卒中の患者数は現在約150万人といわれ、毎年25万人以上が新たに発症していると推測されています。脳卒中はがん・心臓病に次いで日本における死因の第3位となっています。 また、寝たきりになる原因の3割近くが脳卒中などの脳血管疾患です。

 掌紋医学では、主に生命線、知能線を診て判断します。[図1]は脳卒中の方によく見られる掌紋です。

[図1]

※画像をクリックすると拡大します

★生命線が短く、末端が小さく二又に分枝している。

★生命線が短く、障害線や*(米)マークで止まっている。

★知能線が平直である。

 漢方医学では脳梗塞は中風といわれ、軽いものを中経絡、重いものを中臓腑と呼んでいます。現在では中臓腑のような重いものは入院治療をするため、漢方治療の対象になるものは、脳卒中の前兆や軽い脳卒中にあたる中経絡及び脳卒中後遺症になると思われます。脳卒中の前兆でよくみられるのは、以下の4つのタイプです。

(1)肝陽上亢型はイライラしてのぼせやめまい、頭痛を伴うことが多く、中年以降に多く見られます。釣藤散や降圧丸、柴胡加竜骨牡蠣湯などが効果的です。

(2)肝腎陰虚型は慢性に経過した高齢者に多く見られます。杞菊地黄丸に降圧丸を併用すると効果的です。

(3)気滞淤血型は血流が悪く、血液ドロドロの方で、高血圧の方に多く見られます。冠元顆粒や血府逐淤丸、通導散などが効果的です。

(4)痰淤互阻型は肥満で血液ドロドロの方で、典型的なメタボリックの方に多く見られます。大柴胡湯や防風通聖散に淤血を改善する冠元顆粒や血府逐淤丸を併用すると効果的です。

 脳卒中は血液の汚れ(淤血体質)がベースにある方が多いので、冠元顆粒など淤血を改善して血液をサラサラにする漢方薬を常に併用すると良い効果が得られます。

 さて、軽い脳卒中にあたる中経絡は高血圧がベースにあり、突然発作が起きます。漢方薬では、牛黄製剤が良い効果があります。軽い発作の場合は、すぐに服用すれば症状が改善することもあります。脳卒中が心配な方は、牛黄清心丸や牛黄末を常備薬として手元に置いておくことをお勧めします。

 体質や原因に合わせて漢方薬を服用すると、血圧を安定させ、将来の合併症を予防することができます。

掲載:マイドゥー 2010年9月号

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