子供に良く見られる病気として乳幼児〜学童期前半はアトピーや喘息等のアレルギー疾患、中耳炎や扁桃炎を繰り返す虚弱体質が多く見られます。学童期後半〜思春期は立ちくらみや倦怠感等の起立性調節障害、腹痛や頭痛等の神経性障害が多く見られ、この時期まで続くアレルギー疾患は治りにくい傾向にあります。これらの病気は関係ないように思われますが、私の経験では胃腸の冷えによる低体温の子供が多いという共通の傾向が見られます。
漢方では本来子供は「純陽の体」といわれ動きは活発で体温も高いと考えられていますが、現代は自動販売機や冷蔵庫等により冷たい飲み物を多く取り偏食も重なって胃腸を冷やし様々な病気を引き起こしてます。他にも多くの原因がありますが、胃腸を温めて体力を強める漢方薬を服用することにより上記の病気が改善していくことは多く見られます。
体質が丈夫になることにより朝起きれるようになり学校に行けるようになったり、集中力が増して成績がアップした子供もいます。子供は大人と比べると体が素直で他の薬をあまり服用していないので漢方薬が効きやすい傾向があります。
ただ子供は「稚陰稚陽の体」ともいわれまだ内臓が未発達なため、漢方薬や健康食品でも体質に合わないと悪化することもあります。テレビや健康雑誌に惑わされたり自己判断せず、きちんと相談して体質にあった漢方薬を服用することをお薦めいたします。
掲載:マイドゥー 2001年2月号