アトピー治療で有名なある漢方医は「治るアトピー」「治っても良いアトピー」「治らなくても良いアトピー」があるといっています。このことについて今回と次回の2回に分けて解説してみたいと思います。私は「治るアトピー」は乳幼児のアトピーを指しており、「治っても良いアトピー」は学童〜思春期のアトピーを指していると考えています。以下にその理由をお話したいと思います。
まず、乳幼児のアトピーについては漢方薬による体質改善、離乳食の注意、スキンケアや入浴剤などを適切に使うとほとんど改善してしまいます。つまり「治るアトピー」といえます。漢方治療のポイントは胃腸をしっかりさせることにあります。この時期はステロイド軟膏のような強い薬は必要最小限にとどめる方が望ましいと思われます。生後3〜4ヶ月くらいから漢方薬は服用することができます。
次に学童〜思春期のアトピーについてですが、体質と皮膚症状をきちんと判断して正しい漢方治療を行うとかなりの確率で良くなります。漢方治療のポイントは急性期と慢性期に分けて漢方薬を使い分けることにあります。急性期は様々な原因で皮膚に急性の炎症がおきる状態を指しますが、ステロイド軟膏を急に中止してリバウンドが起きたときも急性期の治療に準じます。皮膚の赤みや浸出液の量を見極めて炎症のレベルに合わせて漢方薬を使い分けると通常2週間〜1ヶ月でひどい炎症は治まってきます。慢性期は急性期に比べて炎症は少ないですが、乾燥肌が問題になります。胃腸の状態に気を配りながら皮膚を潤す漢方薬を使っていくと徐々にかゆみも改善して、皮膚の状態も良くなっていきます。つまり正しい治療法を行えば「治っても良いアトピー」といえます。正しい食生活とスキンケアを行い、寝不足に気をつけることが大切です。
次回は「治らなくても良いアトピー」について解説いたします。