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女性のにきび(ニキビ)について

 にきびは青春のシンボルと言われますが、大人の女性にも多く見られます。にきびは男性ホルモンと関係するため、若いうちは女性より男性のほうがにきびがたくさん出ます。10〜20代前半のにきびは、女性でも男性ホルモンの分泌が増え、皮脂が過剰に分泌されて、毛穴が詰まったり汚れたりすることが原因となります。よってクレンジングを中心とした皮膚の洗浄が大切です。それでも良くならない場合は、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などの解毒により皮膚の炎症を治す漢方薬が効果的です。

 一方20歳をすぎると男性は次第ににきびが少なくなるのに対して、女性は化粧、食事、ストレス、ホルモンバランスなど様々な原因により、なかなかにきびと縁が切れません。また年齢とともに代謝が低下していくため、肌の再生スピードが遅くなり、跡が残りやすくなるのです。原因が複雑なので、皮膚のケアや塗り薬だけでは良くならないことが多く、漢方薬の内服と食事療法を行い体質から改善する必要があります。

 漢方医学では大人のにきびが出来やすい方は老廃物を排除する解毒能力が弱いと考えています。炎症性のにきびについては、若年層のにきびの治療法に準じます。ただし大人のにきびは出来る部位やにきびの色や形により右記のように様々な漢方薬を併用すると良い効果が得られます。

1.ほほの周りやあごなど肝の経絡に沿って出来るタイプ:ストレスが多く生理前に悪化するケースが多く見られます。上記解毒薬に加味逍遥散(かみしょうようさん)、大柴胡湯(だいさいことう)などを併用します。

2.口の周りに出来るタイプ:過食や便秘、胃弱体質など胃腸に問題があるケースが多く見られます。上記解毒薬に便秘には通導散(つうどうさん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、胃弱には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)や六君子湯(りっくんしとう)などを併用します。

3.にきびに硬い芯があり跡が残るタイプ:肩こりや生理痛を伴うケースが多く見られます。上記解毒薬に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や血府逐淤丸(けっぷちくおがん)などを併用します。

 「皮膚は内臓の鏡」といわれます。大人のにきびは漢方薬による体質改善が大変効果的です。

掲載:マイドゥー 2005年4月号