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メタボリックシンドロームとは

 今回から、最近話題のメタボリックシンドロームについてお話します。「肥満、高脂血症、高血糖、高血圧」といった動脈硬化の危険因子をいくつも併せもった状態のことをメタボリックシンドロームと呼びます。メタボリックシンドロームの人は、糖尿病を発症するリスクは通常の7〜9倍。心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクは約3倍にもなるといわれています。日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準は、以下になります。

 ウエストが男性で85cm、女性で90cm以上を要注意とし、以下の1〜3の3項目のうち2つ以上を有する場合:

1.血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値40mg/dL未満)

2.血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上)

3.高血糖(空腹時血糖値110mg/dL以上)

 メタボリックシンドロームの原因は、偏食や食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、運動不足などの生活習慣があります。食生活の乱れや運動不足の生活を送っていると次第に肥満になり、中性脂肪などの血中脂質や血圧、血糖値が上がり動脈硬化になるわけです。食生活を改善して、運動不足を解消し、肥満を防止することがメタボリックシンドロームの治療に不可欠です。しかし、仕事が忙しい方や意志が弱い方はなかなか生活習慣を改善することができません。そのような方には、体質改善を得意とする漢方治療が大変効果的です。

 漢方医学による体質診断法として、以前コラムで紹介した、気・血・水の過不足を診る「6体質分類法」があります。私の経験では、メタボリックシンドロームは痰湿体質、淤血体質、気虚体質が多く見られます。

 漢方薬や漢方サプリメントには、内臓脂肪を燃焼させ、高脂血症、高血糖、高血圧の3高を低下させる製剤が数多くあります。個人個人の体質に合わせて、適切に組み合わせると著効が現れることも珍しくありません。

 次回から、具体的な漢方治療についてお話します。

掲載:マイドゥー 2007年2月号