前回は体温の凹凸が多く、波動が激しい基礎体温表についてお話しました。今回は体温の凹凸が多い方の具体的な漢方治療についてお話します。
体温の凹凸が多い方は、生理前に胸の張りやイライラ、頭痛などの症状が見られやすく、高プロラクチン血症、月経前緊張症候群、自律神経失調症などと診断されることが多いようです。生理になっても体温の下がりが悪く生理痛が強い方は子宮内膜症が疑われます。
排卵が生理12日目〜18日目くらいあり、月経周期も26日〜35日くらいで比較的安定している方は「周期療法」を行うことができます。
このタイプで排卵が遅れて、時には30日目を越えても来ない方は、多嚢胞性卵巣が疑われます。多嚢胞性卵巣については現在増えてきており、症状が複雑なので次回に詳しくお話しします。
さて、体温の凹凸が多い方は、漢方医学では気の停滞(肝気鬱結)や子宮や卵巣の血行不良(淤血)の体質と考えます。ですから、肝気の巡りを改善して、淤血を改善する周期療法を行うと効果的です。
生理期: 婦宝当帰膠+星火逍遥丸+爽月宝など
低温期: 婦宝当帰膠+星火逍遥丸+杞菊地黄丸 or 海精宝など
排卵期: 婦宝当帰膠+星火逍遥丸+爽月宝+参茸補血丸 or 海馬補腎丸など
高温期: 婦宝当帰膠+星火逍遥丸+参茸補血丸 or 海馬補腎丸など
プロラクチンが高い方や生理前の胸の張りが強い方は、炒麦芽をさらに併用すると効果的です。
また、子宮内膜症がある方は淤血体質といえますので、淤丸や爽月宝、水快宝などをさらに併用すると効果的です。
漢方薬を服用すると基礎体温の凹凸も改善して行き、妊娠しやすい体質になって行きます。
お客様の声:20代 女性
[漢方薬を飲んだ感想]
結婚して四年という月日が経ち、不妊治療を始めてから二年半が過ぎました。軽度の子宮内膜症・子宮筋腫も見つかりました。タイミング療法、排卵誘発剤の服用、人工授精6回とステップアップしていきましたが、いずれも思うような結果は得られませんでした。
体外受精を考え始めた時、出来る限り自分の身体を妊娠しやすい身体にする為、最後の努力だと自分に言い聞かせ、不規則だった仕事を辞め、小島薬局を訪れました。
MYDOを読んだ頃から気になっていた、「漢方薬=高い・まずい・効くの?」というイメージからか、なかなか足を踏み込む事ができずにいました。実際は話を十分に聞いてくださり、個人に合った処方を作っていただきました。小島先生とお話ししていたら、なんだか子供を授かることが出来そうな不思議な気持ちになり、周期療法を始めました。味はやはり不味かったのですが、それでも毎日続けられ、便通もよくなりました。肌の調子も良く、身体が軽く楽になったかんじがありました。結果、自分でもビックリですが、一周期で妊娠することができました!心から感謝しております。ありがとうございました!
[薬局からのひとこと]
黄体機能不全と軽度の子宮内膜症があり、病院で2年間不妊治療を受けて6回人工受精を行いましたが、妊娠にいたりませんでした。ストレスによるイライラが強く、星火逍遥丸を中心とする周期療法を行いわずか1ヶ月で自然妊娠できました。ご主人にイーパオを服用していただいたことも良かったと思います。
掲載:マイドゥー 2009年5月号