今回は掌紋医学の基本的な考え方についてお話します。掌紋医学では診断する際に、下記の3つの基準があります。
(1)掌紋線 (2)掌上臓腑対応区 (3)手掌八卦
そのうち掌紋線が最も重要で、続いて掌上臓腑対応区、手掌八卦になります。
掌紋線は掌上の線ですので、手相の基本線と名称が共通しているところが多くあります。一方、掌上臓腑対応区と手掌八卦は中医学と易の理論を応用していますので、手相とは異なる掌紋医学独自の理論になります。
今回は掌紋線について解説します。
掌紋線は手相の基本線と対応していますので、共通する部分もあります。掌紋線は下記の14本の基本線になります。
生命線・知能線・感情線・命運線(運命線)・健康線・太陽線・障害線・性線(結婚線)・過敏線(金星帯)・土星環・放縦線・肝分線(二重感情線)・シドニー線・貫通線(マスカケ線)
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掌紋線は様々な変化があります。切れ切れであったり、線上に障害線や障害マークが現れることもあります。また、副線が枝分かれしていることもあり、この副線が診断上の意味を持つこともあります。この掌紋線を正しく読むことが、掌紋診断の上で最も重要です。詳しい見方は、今後コラムで紹介していきます。
さて、掌上には様々な障害マークが見られます。障害マークは主に8種類あります。
十(バツ)、♯(シャープ)、*(米)、〆(島)、☆(星)、△(三角)、□(四角)、○(丸)
障害マークにはそれぞれ下記の意味があります。
十:炎症・機能低下、♯:慢性炎症、*:うっ血、〆:腫瘍、☆:脳虚血、△:動脈硬化、□:手術・外傷、○:外傷
障害マークが、掌紋線、掌上臓腑対応区、掌紋八卦の位置に現れると、病気との関係が出てきます。わかりやすいこともありますが、よく見ないとわかりにくいこともあります。きちんと見立てるためには、経験やコツが必要になると思います。また、病気の変化に伴い障害マークも変化していきます。
「十→♯→*」と変化していくと、炎症が悪化してうっ血になることを意味します。逆に「*→♯→十」と変化していくと、うっ血や炎症が改善していくことを意味します。
次回は掌上臓腑対応区と手掌八卦についてお話します。
掌紋診断をご希望の方は、漢方相談のご予約の際にお申し付けください。
掲載:マイドゥー 2010年3月号