梅雨の時期になると関節痛などの痛みの相談が増えてきます。関節痛でよく見られる病名は、関節リウマチ、変形性膝関節症、腱鞘炎、痛風などがありますが、最近相談が増えている病名としてヘバーデン結節があります。
ヘバーデン結節は手の指の第一関節の変形による疼痛を主たる症状とする病気です。関節リウマチを心配される方もいますが、全身性に関節痛がおきる関節リウマチと異なり、ヘバーデン結節は指に限局した症状が出ることが特徴です。
また、関節リウマチの腫れは弾力のある腫れで、ヘバーデン結節の腫れは骨棘形成による骨ばった腫れという違いもあります。
ヘバーデン結節のチェック項目
- 指先に力が入りにくい
- 手指の第一関節が動きにくい
- 手指の第一関節が痛む、しびれる
- 手指の第一関節が腫れる
- 手指の第一関節が変形している。
ヘバーデン結節の原因はよく分かっていませんが、40歳以降の女性に多いということから女性ホルモンの減少を原因とする説もあります。西洋医学では鎮痛剤などの対症療法が中心で有効な治療法が少なく、日常生活に支障が出るほど酷くなると手術が行われるようです。
さて、漢方医学の思想である「五行論」では春は「木」の季節とされ、五臓六腑の働きでは「肝」に影響しやすいとされます。
漢方医学では寒邪や湿邪が手指の流れを阻害して、瘀血が生じて腫れや痛みが発症すると考えています。
痛みや腫れ、炎症の程度によって使う漢方薬が異なりますが、越婢加朮湯、桂芍知母湯、桂枝加朮附湯、疎経活血湯などの漢方薬に、アリが主薬の漢方製剤(イーパオ)を併用すると効果的です。更年期障害に伴うヘバーデン結節の場合は、高品質の大豆イソフラボン製剤の併用をお勧めします。
ちなみに手指の第二関節の変形による疼痛を主たる症状とする病気をブシャール結節といいますが、こちらも同じような漢方治療で効果が期待できます。ヘバーデン結節やブシャール結節お悩みの方は、ぜひ一度漢方薬をお試しください!