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不妊症の周期療法(4) ― 子宮性不妊について―

 女性の不妊症を大きく分けると、子宮性不妊、卵巣性不妊、輸卵管性不妊、免疫性不妊に分類されます。今回は子宮性不妊についてお話します。子宮性不妊には子宮発育不良、子宮後屈、子宮内膜症、子宮筋腫などが含まれます。子宮性不妊の場合、いずれのタイプも軽度であれば周期療法の適応になります。

 子宮発育不良は幼児型子宮ともいわれ、先天性、遺伝性の要素が強いです。卵巣性不妊(排卵障害)を伴うこともあります。軽度であれば補腎養血を主とする周期療法を行うと、子宮の発育がよくなり子宮内膜も厚くなってきます。中度から重度になってくると、より強力に補腎する必要がありますがよい効果が得られないこともあります。子宮内膜症や子宮筋腫は子宮内膜の器質的な異常です。

 子宮内膜症は軽度であれば、補腎活血を主とする周期療法を行うと、子宮内膜の状態がよくなり生理痛も軽くなってきます。中度から重度になってくると、淤血が重くなっていると考えて、体質にもよりますがより強力に活血する必要があります。この場合子宮内膜症の改善を優先に考えます。子宮内膜症がある程度改善してから周期療法に移っていきます。

 子宮筋腫の場合は筋腫の大きさ、数、部位などによって治療が異なってきます。子宮筋腫があまり大きくなく、数が少なく、子宮の外側に向かっているものであれば、妊娠への影響は少なく補腎活血を主とする周期療法が効果的です。子宮筋腫があまり大きくなくても、子宮の内側に向かっていて過多月経や不正出血を伴えば、子宮筋腫の治療を優先します。子宮筋腫がある程度改善してから周期療法に移っていきます。子宮筋腫がかなり大きい場合は漢方薬が効きにくく、手術などの方法を考える必要もあります。

 次回は卵巣性不妊についてお話します。

病名別漢方治療法「不妊症周期療法」も参照してください

掲載:マイドゥー 2002年5月号