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体を潤すと老化を防止できる3

 人は老化すると体の潤いや栄養がなくなり、皮膚や目の乾燥、記憶力の低下、骨粗鬆症、耳鳴り、脱毛、白髪などの症状が見られるようになります。しかし、最近は若い方にも乾燥肌やしみ、しわ、ドライアイなどの体の潤い不足の方が多く見られます。このことは体の潤い不足が単純に年齢の問題だけではないことを示しています。

 飽食といわれる現代に、なぜこのような潤い不足が生じるのかということですが、まず近年の異常気象や地球温暖化が挙げられます。また、ストレスや運動不足、冷暖房の完備、食品添加物、喫煙など体を乾燥させる生活環境も関係しています。そのために、現代の人々は気が鬱滞し、内熱をもちやすく、ひいては陰液を損ない易くなっています。自律神経で言えば、交感神経が亢進して、副交感神経が抑制されている状態といえます。このような体質を漢方医学では「陰虚体質」と考えています。

 地球が寒かった古い時代は、麻黄や附子などの温める漢方薬が多く使われましたが、現代の地球は温暖化で熱く、乾燥している人が多いので陰液を養う漢方薬が必要とされています。時代によって、体質に合う漢方薬も変化しているわけです。

 さて、高齢者の「陰虚体質」は、特に腎陰が不足してきます。よって「腎陰」を補う杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)、八仙丸(はっせんがん)、天王補心丹(てんのうほしんたん)などを飲むと、病気の予防や老化防止にとても効果的です。

 一方、若い人の「陰虚体質」は、乾燥肌、ドライアイ、咽喉の乾燥などのドライシンドロームやアトピーなどのアレルギー疾患、しみやしわなどの皮膚の老化、生理不順や更年期障害などの女性ホルモンの不足などの症状がでてきます。

 そこで皮膚を潤し、しみやしわなどに効果のある紅沙棘(ほんさーじ)や西洋人参(せいようにんじん)、八仙丸(はっせんがん)、女性ホルモンの分泌を促し生理不順や更年期障害を改善する婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)や海精宝(かいせいほう)、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、胎盤エキスなどが効果的です。

 陰液を補う漢方薬は、地球温暖化の現代に必要な「体の保水力」を高めることができ、アンチエイジングに最適です。

 食材で陰液を補うものはレンコン、白菜、きくらげ、豆乳、湯葉、ゆり根、すっぽん、なまこ、あわび、ゴマなどがあります。玄米や野菜、海藻、味噌汁などの和食を中心に、上記の食材を取り入れていくと良いと思います。

 体の保水力を高め、いつまでも若々しく元気でいるために、ぜひ体質にあった漢方薬をお試しください。

掲載:マイドゥー 2008年11月号