季節の変わり目になり、喘息の持病がある方は発作をおこしやすい季節になりました。
喘息は繰り返し発作をおこして慢性化すると、大変治りにくく、毎年6000人以上の方が喘息で亡くなっています。西洋医学の治療法は症状をコントロールすることを目的としていますが、あくまで対症療法であるため繰り返し発作をおこしたり、ステロイドの吸入を続けて副作用をおこすケースも見られます。
中国医学では体質を改善して発作をおこさないようにする根本療法を重視しています。発作期には気管支を広げて痰などの邪気を除いて症状を和らげることを行いますが、緩解期は正気を補い体質を改善することを行います。
治療においては発作期には痰の色や量、症状などから寒熱を弁証して小青竜湯、蘇子降気湯、麻杏甘石湯、小陥胸湯、清肺湯などを使い分けます。緩解期には肺と脾を丈夫にする玉屏風散、補中益気湯、六君子湯、黄耆健中湯や腎を丈夫にする八味丸、八仙丸、参茸丸などを使い分けます。
このような方法を行うと小児喘息の場合はかなり奏効する事が多く、ステロイドの吸入剤や気管支拡張剤を中止できたケースも多くあります。一方成人の喘息の場合は症状も頑固で西洋薬を長く飲んでいることもあり簡単にはいきませんが、多くの場合発作がおきにくくなります。喘息治療においては体質改善が重要であるといえるでしょう。
掲載:マイドゥー 2001年10月号