子宮筋腫は女性の5人に1人は持っているといわれるほどポピュラーな疾患です。しこりを発見すると「ガンでは」と心配する人もいますが、子宮筋腫はガンと違って良性ですし、将来ガン化する心配もありません。子宮筋腫が大きくなるのは女性ホルモンが関係しているといわれますが、詳しいことはわかっていません。ただ、近親者に子宮筋腫の人がいると自分もなりやすいようです。
筋腫が小さいうちはほとんど症状がありませんが、握りこぶし大になると痛みや貧血などさまざまな症状が現われます。
子宮の内側にこぶがふくれてくると、生理痛や生理出血が多く止まりにくいという症状が現われます。こぶが外側にふくれて腸や膀胱を圧迫すると、便が出にくい、頻尿や尿が出にくいなどの症状が現われます。あまり大きすぎたり不正出血がひどい場合には手術も必要ですが、そうでなければ淤血(血液の汚れ、滞り)を除きながら体質改善していく漢方治療は有効です。
漢方医学では子宮筋腫は痛む、しこる黒ずむという淤血の特徴がはっきり現われています。淤血を改善して筋腫の塊を小さくする作用のある桂枝茯苓丸や爽月宝が効果的です。ピンポン玉より小さいときは消失することもあります。出血過多で貧血気味の方はキュウ帰膠艾湯や婦宝当帰膠を併用します。
普段の生活では体を冷やさないようにして、適度な運動で血行をよくしてください。