今回は不妊症について解説します。結婚して通常の夫婦生活をしているにもかかわらず、2年以上子供ができない場合は一般に不妊症といわれています。最近では1年で子供ができなければ何らかの不妊につながる障害があるだろうという考えもあるようです。不妊症の夫婦は10組に1組だといわれていましたが、実情はもっと多いといわれています。
妊娠はよく畑と種に例えられます。種は受精卵、着床する子宮内膜が畑にたとえられるわけです。畑である子宮内膜に適度な栄養(血液)と水分、そして温かさがなければ種は育ちません。また、良い種でないとうまく育たないのです。
西洋医学の不妊治療は、検査は精密ですが、治療薬は排卵誘発剤とホルモン剤が中心になります。いずれも卵巣や子宮を刺激しますが、卵巣に負担をかけますので必ず副作用があります。その点、漢方薬は子宮を温めて血流を良くして、良い畑と種を作ることで、妊娠しやすい体質作りを行うことができます。
掌紋医学では、主に生命線、感情線、性腺(結婚線)、手首線、子宮・卵巣の対応区を診て、ホルモンの状態を判断します。[図1]は不妊症の方によく見られる掌紋です。
[図1]
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★生命線の末端が薄く、生命線が囲む面積が小さい場合は、ホルモン分泌が弱いことを意味しています。
★感情線の小指の下が薄い場合は、ホルモン分泌が弱いことを意味しています。感情線の小指の下に、上下に羽のようにある線を生殖線といい、子供のできやすさの目安にします。
★性腺(結婚線)が1本で薄い場合やない場合は、ホルモン分泌が弱いことを意味しています。
★手首の線が1本で薄い場合や山型になっている場合は、ホルモン分泌が弱いことを意味しています。
★小指が短く曲がっている場合や小指の爪が三角で小さい場合は、ホルモン分泌が弱いことを意味しています。
★生命線下部には子宮と卵巣の対応区があります。この部分に障害線や〆(島)がある場合は、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣などの可能性が高くなります。
妊娠を希望している方に上記のような掌紋が見られたら、漢方薬による体質改善を積極的に行うとよいと思います。特に今までもコラムで紹介してきた、生理周期に合わせた周期療法は効果がよいです。当店は妊娠しやすい体質作りや周期療法を得意としていますので、ぜひご相談ください。
なお、掌紋診断をご希望の方は、漢方相談のご予約の際にお申し付けください。
掲載:マイドゥー 2010年6月号