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がんの漢方総合療法1 ―がんに使う漢方薬について―

 がん治療に漢方薬を使うことの有効性について様々な研究や臨床報告がありますが、今回はその一部を紹介したいと思います。

 漢方薬によるがん治療は直接の抗がん力においては西洋医学の治療に及びませんが、体の抵抗力と自然治癒力を高めてがんの増殖を抑えることに特徴があります。漢方薬によるがん治療には以下の効果が期待できます。


1.胃腸を補い消化吸収力を高め、免疫細胞を活性化する。

2.血を改善して活性酸素を除き、免疫細胞の活動性を高める。

3.手術後の体力回復や術後合併症の防止する。

4.抗癌剤や放射線の副作用を防止する。

5.抗癌剤や放射線の感受性を高め、効果を高める。

6.抗がん生薬によりがん細胞を抑制する。

7.進行がんや末期がんのQOLを改善する。


 最近の研究では上記の効果を裏付ける報告が数多くされています。例えばがんの再発防止や手術後の体力回復、抗癌剤や放射線の白血球減少などに良く使われる十全大補湯には免疫細胞を高める効果、血管新生を抑えがんを秤量攻めにする効果、活性酸素を抑える効果などが認められています。丹参や田七、郁金などの活血作用のある薬草は組織の血液循環を改善して、抗がん剤や放射線のがん細胞に対する感受性を高めることがわかっております。また白花蛇舌草などの一部の薬草は動物実験で抗腫瘍作用が認められております。このような報告は漢方薬のがんに対する有効性を裏付けるものですが、実際に漢方薬を服用する際はがんの状態や体の寒熱・虚実などを弁証して体質に合わせてオーダーメードで選択することが重要です。きのこ製剤などの健康食品にも免疫を高めたり活性酸素を抑える製品がありますが、漢方薬のような理論が欠如していることが欠点だと思います。上記の理由により体質に合わせた漢方薬と吸収が良く品質の保証された健康食品を上手に組合せる方法が望ましいと思われます。

掲載:マイドゥー 2003年3月号