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めまいの漢方治療について

 今回はめまいの漢方治療についてお話します。「グルグル回る感じがする」「ふわふわと揺れている感じがする」「立ちくらみがする」などと表現されるめまい。近年、めまいを訴える患者さんは、社会機構の複雑化、ストレスの増加、高齢化社会の推移に伴って増加の傾向があるという報告があります。めまいは耳の奥にある体のバランスを保つ三半規管に何らかの傷害があったときに現れる場合と、そのほかの病気が原因となって起こる場合があります。前者はメニエール病、良性発作性頭位眩暈症、内耳炎など、後者は更年期障害、自律神経失調症、低血圧、高血圧などが挙げられます。また、病院で検査してもはっきり原因がわからないめまいも多く、本人はより不安感が強くなることが多いようです。

 漢方医学ではめまいは「風、火、痰、虚」の4つが病因と考えています。そしてめまいを大きく3つに分類しています。1.陽気が頭に過剰に上がる場合2.水質代謝が低下して、頭に水が滞る場合3.気血が頭に不足している場合、です。


1.はイライラする方、血圧が高めの方に多く見られ、ストレスで悪化する傾向があります。ふわふわと揺れるタイプが多く、過剰にあがった陽気を鎮静させて、めまいを改善します。漢方薬としては、釣藤散(ちょうとうさん)、抑肝散(よくかんさん)、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、降圧丸(こうあつがん)などが効果的です。

2.は太っている方、水分を取りすぎの方に多く見られ、雨天前に悪化する傾向があります。グルグル回る感タイプが多く、水質代謝を良くして、水毒を解消して、めまいを改善します。最もよく見られるタイプです。漢方薬としては、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、温胆湯(うんたんとう)などが効果的です。

3.は貧血気味の方、血圧が低めの方に多く見られ、疲れると悪化する傾向があります。立ちくらみタイプが多く、気血を補い、体質を丈夫にして、めまいを改善します。漢方薬としては帰脾湯(きひとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、婦宝当帰膠(ほふうとうきこう)、海馬補腎丸(かいまほじんがん)などが効果的です。


 めまいは漢方医学が得意としている分野のひとつです。体質に合わせた漢方薬を服用すると、長年の頑固なめまいも、いつの間にか改善していきます。

掲載:マイドゥー 2006年7月号