医療従事者を中心にワクチンの接種も開始され、少しずつですが新型コロナの不安が和らいできました。しかし、コロナ禍による生活様式の変化で、ウイルス以外の体や心の不調が目立ってきています。
その中で注目されている疾患が「コロナうつ」です。
コロナウイルス感染症とうつ病の因果関係は証明されていませんが、感染を防止する為に我々の生活様式が大きく変わった事がその要因ではないかと考えられています。感染拡大に伴い、三密を避ける行動を強いられ、外出機会や人との関わりが減少しました。
また、経済状況の悪化により、生活の困窮や退学・退職を余儀なくされた人も少なくありません。このように、生活様式の変化が人々のストレスを増加させ、抑うつ状態にさせている可能性があるということです。以下のような症状が3つ以上ある方は、「コロナうつ」の可能性があります。
- 憂うつ・不安になる
- 何にも興味が持てない
- 食欲がない
- 眠れない
- 何もする気力がない
- 考えがまとまらない
- だるさがとれない
- 自分を責めてばかりいる
- 3密に対して過敏になりすぎている
- コロナニュースを見ると落ち着かない
(日本テレビ・世界一受けたい授業より)
漢方医学では「コロナうつ」を肝気病と考えます。
最初は気の鬱滞(滞り)から始まり、気分の不調やお腹の張り、筋肉の凝りなどから始まり、経過が長引くと胃腸の不調や不眠、頭痛、めまいなど様々な不調が現れるようになります。まさに「病は気から」ということで、早めに肝気の鬱滞を改善すると、進行せずに不調が改善します。
症状が進行してしまった場合には、肝気の鬱滞の改善だけでは間に合わず、症状に合わせて2~3種類の漢方薬を組み合わせる必要が出てきます。
「コロナうつ」が心配な方は、一人で悩まずに是非ご相談ください。