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メタボリックシンドロームと漢方治療2 −肥満、内臓脂肪について−

 今回は、肥満、高脂血症、高血糖、高血圧というメタボリックシンドロームの疾患のうち、肥満についてお話します。

 肥満は体のどの部分に脂肪がつくかによって、2つのタイプに分かれます。下腹部、腰のまわり、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプを洋ナシ型肥満(皮下脂肪型肥満)、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプをリンゴ型肥満(内臓脂肪型肥満)とよびます。メタボリックシンドロームは皮下脂肪よりも内臓脂肪の蓄積が問題であり、内臓脂肪症候群ともいわれています。ですから、メタボリックシンドロームと関係が深いのはリンゴ型肥満ということになります。リンゴ型肥満は外見ではわからないことがありますが、ウエストが男性では85cm以上、女性では90cm以上であれば、リンゴ型肥満が疑われます。

 リンゴ型肥満は肉や卵、乳製品などの動物性食品や油脂類、甘い物、果物などを食べ過ぎて、内臓に脂肪がたまり代謝が追いつかない状態です。漢方医学では臓毒証体質といわれ、内臓に湿熱や淤血という老廃物が溜まっている状態と考えています。漢方治療としては、新陳代謝を高めて、大便や尿、汗などから老廃物を排泄して、体質から改善していきます。

 体質は個人差がありますが、湿熱型(しつねつがた)、痰湿型(たんしつがた)、痰淤阻滞型(たんおそたいがた)、気滞血型(きたいおけつがた)、気虚淤血型(ききょおけつがた)の5つのタイプが多く見られます。

 湿熱型は動物性食品や辛い物、アルコールを多くとり、内臓脂肪が溜まるタイプです。防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)や竜胆瀉肝湯(りゅたんしゃかんとう)が効果的です。


 痰湿型は油脂類、甘い物、果物、アルコールを多くとり、内臓脂肪が溜まるタイプです。温胆湯たん(うんとう)や加味平胃散(かみへいいさん)が効果的です。

 痰淤阻滞型は動物性食品や油脂類、甘い物、アルコールを取りすぎて、内臓脂肪が溜まり、血液がドロドロになるタイプです。温胆湯に水快宝(すいかいほう)、田七(でんしち)を併用すると効果的です。

 気滞淤血型はストレスによって過食になり、内臓脂肪が溜まり、血液がドロドロになるタイプです。大柴胡湯(だいさいことう)に水快宝、田七を併用すると効果的です。

 気虚淤血型は過労により新陳代謝が低下して、内臓脂肪が溜まり、血液がドロドロになるタイプです。防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)に水快宝、田七を併用すると効果的です。


 内臓脂肪が過多の場合は、内臓脂肪を燃焼させる三爽茶(さんそうちゃ)を併用すると効果的です。

 先日マスコミで話題なったように、納豆だけを食べて痩せることは健全ではありません。伝統的な日本食によるバランスの取れた食事を心がけましょう。

掲載:マイドゥー 2007年3月号