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不妊症の周期療法(2) ―周期療法の歴史について―

 今回は周期療法の歴史や基本的な考え方についてお話します。

 周期療法は中国・江西省の中医師グループにより1960年代前半頃に考えられた比較的新しい治療法です。女性特有の生理周期による体温変化やホルモンの変化を中国医学の伝統的な陰陽論と結合することにより考えられました。新中国が誕生してから西洋医学の考え方と中国医学の伝統的な治療法に結合して様々な治療法が考えられていますが、この周期療法も中西医結合によって生まれたすばらしい治療法です。中国において周期療法が学術雑誌に最初に発表されたのは1980年代前半頃で、その後中国全土に広まりましたが、深く研究しているのは一部の地域の中医師といわれています。

 周期療法の基本的な考え方は、低温期と高温期の体温とホルモンの変化を陰陽論で解釈したものです。低温期は体温が低くエストロゲンの分泌が盛んであり、高温期は体温が高くプロゲステロンの分泌が盛んです。これより低温期は陰が盛んな時期、高温期は陽が盛んな時期と考え、低温期には陰を養う漢方薬を、高温期には陽を養う漢方薬を主として使う方法が考えられました。生理期と排卵期は陰と陽が転換する時期として理気薬や活血薬を使うことにより転換をスムーズにする方法が取られました。その後さらに研究が進み、個々の体質を弁証して処方を加減したり、西洋医学の検査や病気にも対応できるように発展してきました。

 女性の体温変化やホルモンバランスに注目した周期療法は婦人病全般に応用できますが、不妊症の治療において特に効果的です。日本でも最近1〜2年雑誌やテレビなどで紹介され、考え方の整合性や治療の有効性から注目されています。次回はさらに具体的な方法について解説していきます。


病名別漢方治療法「不妊症周期療法」も参照してください