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中国漢方とアレルギー4 ―ステロイド軟膏について―

 今月は日頃相談の多いステロイドについてお話します。ステロイドには解熱消炎鎮痛の効果があり、アレルギー疾患には主に外用薬や吸入薬としてアトピーや喘息に良く使われています。近年アトピーにおいてステロイドの外用薬による副作用が問題になっています。ステロイドを皮膚に塗ると比較的早く炎症や浸出液が抑えられます。上手に使って徐々に離脱できると大変良い薬なのですが、漠然と長期に使うと皮膚が萎縮して色素沈着がおこり、この副作用を恐れて急に中止するとリバウンド現象がおきて以前より悪化するという悪循環に陥ることがあります。

 これを漢方医学からみると、ステロイドが皮膚の表面の熱毒や浸出液を皮膚の内側に押し込めていると考えることができます。ステロイドはあくまで熱毒や浸出液を中に押し込めて見た目をきれいにしているだけなので、急に中止すると内部に押し込められた熱毒や浸出液が外に出てきてリバウンド現象がおきると思われます。最初に熱毒や浸出液がひどい状態であればよりリバウンドは激しくなり、熱毒や浸出液の程度が軽かったり、ある程度体内に吸収されればリバウンドは比較的軽いと考えられます。

 このことより症状がひどい時にステロイドを使うことは症状を和らげることにおいて役に立ちますが、体内の熱毒や浸出液などの老廃物を解毒して排泄して体質改善をすることは最も大切なことになります。このような体質改善は私の経験からすると、漢方医学でしか行うことができないといってよいと思います。前回一貫堂医学と中国医学による体質改善のお話をしましたが、この方法が現時点では最も有効な方法であると感じております。

掲載:マイドゥー 2003年12月号