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体を温めると健康になる2

 前回ご紹介した、「体を温めると病気が改善する」「体を潤すと老化を防止できる(アンチエイジング)」「毒素を排泄すると健康になる(デトックス)」の3つのテーマのうち、今回より「体を温めると病気が改善する」ということについてシリーズで解説します

 漢方医学では外界(自然界)から受ける冷えを「寒邪」といい、体内の冷えを「陽気不足」といいます。昔は体温計がありませんので、自覚症状と顔色や舌の状態、脈の状態などで「冷え」を判断していました。しかし、現代は体温計がありますので、漢方医学の見立てと体温計を合わせると、より確実な判断ができます。

 さて、なぜ「冷え」や「低体温」が問題になるのでしょうか?それは、低体温になると、以下のことがおきるからです。


1.免疫力が低下する:体温が低下すると免疫機能に関係するリンパ球の働きが悪くなり、カゼや感染症、花粉症、慢性鼻炎などになりやすくなります。

2.基礎代謝が低下する:細胞が代謝する最適な体温は36.5℃〜37℃度ですが、代謝が低下することで、脂肪が燃焼しにくく太りやすい体質になります。

3.体内酵素の活性が低下する:体温が低いと酵素がうまく働くことができずに、栄養が十分に吸収されないため、エネルギーを作り出すことができなくなります。そのため、胃腸機能が低下してか疲れやすくなります。

4.ガン細胞が発生しやすくなる:ガン細胞が好む体温は35度だといわれています。低体温が続くことによって免疫細胞の力が弱くなり、ガン細胞を退治することができにくくなります。

5.不妊症になりやすくなる:体温が低い状態では、卵巣の機能が低下します。また、骨盤内の血流も悪くなり、不妊や流産の原因になります。


 以上のように、冷えや低体温は多くの病気の原因になります。ですから、「体を温めると病気が改善する」ということは、多くのケースで正しいといえます。

 さて、「冷え」といっても様々な原因があり、個々の体質の違いもあります。漢方医学では、「冷え」や「低体温」は主に4つのタイプがあると考えています。[1.陽気不足(ようきふそく)2.血虚受寒(けっきょじゅかん)3.気滞淤血(きたいおつ)4水湿内停(すいしつないてい)]

 上記の4つのタイプが複雑に混ざっているケースも時々見られます。ですから、冷え性で低体温だからただ温めればよい、というわけではありません。きちんと体質に合わせて、対策を立てる必要があります。

 次回から、それぞれの体質別の漢方薬や食養生について解説します。

掲載:マイドゥー 2008年3月号