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体を温めると健康になる4

 今回は「冷え」の4つのタイプ(陽気不足・血虚受寒・気滞淤血・水湿内停)のうち、血虚受寒(けっきょじゅかん)についてお話します。

 漢方医学では、飲食物を脾胃で消化吸収して得られる水穀の精気と津液が脈管内に入り、変化して赤色の「血」になると考えています。「血」は全身を循行して、五臓六腑や皮膚筋骨など全身の組織・器官に栄養を補給して滋潤します。

 このように「血」はとても大切ですが、思春期以降の女性は、閉経まで生理があるため、「血」が不足しがちになります。また、食生活の乱れ(偏食や嗜好品の取りすぎなど)や寝不足、ストレスなどによっても「血」を消耗します。

 このように「血」が不足すると、体表を守る「気」にも悪影響を与え、冷えを受けやすくなります。冷えの原因は、寒冷の気候、エアコン、冷たい飲み物などいろいろありますが、ファッション性の高い薄着やミニスカートによっても受けやすくなります。以上のような理由で、「血虚受寒」は思春期以降の女性に多く見られます。

 「血虚受寒」の方は、全身を滋潤する「血」が冷えて血行が悪くなるため、手足の冷え、肩こり、頭痛、生理痛、生理不順、爪が割れやすいなどの症状が現れます。ひどい方は、しもやけやレイノー症状が見られます。

 「血虚受寒」の方は、体を温めて血行を改善する当帰を中心にした漢方薬が効果的です。当帰は体を温めて「血」を補い、中国では昔から「女性の宝」として知られている薬草です。民話にも当帰の根を食べて病気がみるみる回復した話が伝わっています。数多い当帰の入った漢方薬の中でも、当帰の量が多く、品質の良い「婦宝当帰膠」が効果的です。体質によっては、「温経湯」や「当帰四逆湯」も良い効果があります。

 末梢循環が悪く、手足の冷えが強い方は「冠元顆粒」や「松寿仙」を併用するとより効果的です。

 「血虚受寒」の方は、精白したもの、南国の食べ物、コーヒー、ビールなどの陰性の食材や冷たいもの、生ものは避けるようにしましょう。

 一方で玄米・雑穀などの未精白の穀物、ニンジン、あずき、クコの実、なつめ、イチゴなどの赤い色の食材、黒豆、黒胡麻、黒米、プルーンなどの色の黒い色の食材を加熱調理して、多く摂るようにしましょう。

 また、1日30分以上の半身浴(お湯の温度は体温+4℃が目安です)を行うと、体が温まり効果的です。

掲載:マイドゥー 2008年5月号