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体を温めると健康になる5

 今回は「冷え」の4つのタイプ(陽気不足・血虚受寒・気滞淤血(きたいおけつ)についてお話します。

 漢方医学では、「血」は「気」の働きで全身を循行して、五臓六腑や手足抹消など全身の組織・器官に栄養を行きわたらせる効果があります。

 さて、「気」が滞る最大の原因はストレスです。ストレスを受けると、「肝」の気を巡らす働きが悪くなり、「気滞」という状態になります。この段階では、何となく気分が悪い、やる気が出ない、お腹や胸が張る、寝つきが悪い、のどが詰まる、というような不定愁訴が見られる程度です。

 しかし、ストレスが長く続くと、抹消血管が収縮しますので、だんだん手足や骨盤内の血流が悪くなり、「淤血」に発展します。この段階になると、手足の冷えやこわばり、肩こり、目のくま、痔、静脈瘤、レイノー症状や様々な痛み(頭痛、関節痛、生理痛など)が出てきます。ひどくなると様々なしこり(子宮筋腫、卵巣嚢腫、内臓ポリープ、腫瘍など)が出るようになります。

 「気滞」はまだ「未病」ですので、あわてて安定剤や睡眠薬を飲むのではなく、体に優しく確実に効果のある漢方薬がお勧めできます。

 まだ「気滞」の段階で、「血」に至っていない方は、「星火逍遥丸」「加味逍遥散」「抑肝散」などが効果的です。気の流れが良くなり、ストレスが和らいで、不定愁訴が改善します。

 「気滞淤血」の段階に進行し、肩こり、静脈瘤、様々な痛みがある方は「冠元顆粒」「血府逐丸」「弓帰調血飲第一加減」などが効果的です。しこりができやすい方は「爽月宝」「水快宝」「田七」などが効果的です。

 「気滞淤血」の方は、肉の脂身、卵、チーズなどの強い陽性食や白砂糖の甘味、南国の食べ物、コーヒー、ビールなどの強い陰性食を摂ることは避けるようにしましょう。玄米・雑穀などの未精白の穀物を主食にして、セロリ、春菊、紫蘇、玉ねぎ、ハーブなどの香味野菜、生姜、ネギ、ニンニク、黒酢のような天然調味料を摂るようにしましょう。飲み物としては、ジャスミン茶やハーブティーなどがお勧めです。

掲載:マイドゥー 2008年6月号