去る11月21日〜11月25日にかけて北京中医医院の婦人科で研修を行ってきました。昨年は南京の夏桂成先生に会って周期療法について学んできましたが、今回は北京中医医院の婦人科で呉育寧先生と許キン先生に婦人病治療を学ぶことが目的でした。
以前からこのコラムで書いているように周期療法は不妊症の治療に大変効果的ですが、その基本となっていることは体質(証)に合わせて漢方薬を調合する「弁証論治」という考え方です。北京中医医院では伝統的な弁証論治による治療を重視していました。基礎体温の情報や生理周期の時期は参考程度で、体質にあわせて漢方薬を配合することを重視していました。
中国で周期療法をきめ細かく行っているのは、夏桂成先生など一部の地域のようです。しかし弁証論治の考え方は全国共通ですので、処方内容は共通する部分が多くあります。臓腑では肝、腎、脾を重視して、気血の流れを調整する考え方も共通していました。そのため今回学んだ呉育寧先生の処方内容は夏桂成先生の処方と似通った部分が多く見られ、大変参考になりました。
研修最終日には日本で周期療法を広めた叢法滋先生にお会いすることができました。叢法滋先生は1年半前に帰国しましたが、それまで約7年日本で周期療法の指導をしていた老中医です。現在は北京のクリニックで煎じ薬を中心とした診療を行っていますが、日本にいるときには爽月宝やマカのような健康食品の使い方を工夫して日本にあった周期療法を提案しておりました。今回は周期療法やがんの治療法、アトピーの治療法、肝炎や胃腸病の治療法などいろいろ教えてもらうことができました。
今回の北京婦人科研修では、現在私が行っている周期療法と同じような方法でよい結果が得られていることを確認できました。今回の研修で得たことを活かして、より効果的な漢方治療を行えるようにしていきたいと思います。
掲載:マイドゥー 2005年1月号