新型コロナウイルスの猛威が広がり、当店にもいろいろなご相談があります。今回は新型コロナウイルと漢方薬についてお話しします。
コロナウイルスの特徴と予防
風邪を誘発するウイルスはいろいろありますが、ウイルスによって感染力の強さや致死率などが異なります。新型コロナウイルスはSARS やMARSに比べて感染力は比較的強く、致死率は低いようです。ただし高齢者や基礎疾患のある方は急速に悪化するケースもありますので、注意が必要です。収束の時期が予測できないところに不安を感じますが、風邪と同じように完全に封じ込めることは難しいと思われます。
ワクチンや有効な治療法が見つかっていませんので、まずは予防が第一になります。人ごみを避けて、外出後はしっかりと手洗い、うがいを行うことも大切です。また、手軽な予防法として、噴霧製品の「
セイバーZ」が大変好評をいただいています。「
セイバーZ」は安定型次亜塩素酸ナトリウム単一製剤で、除菌効力が長く持続するという特長があります。
新型コロナと漢方医学
さて、漢方医学では昔から様々なウイルスや感染症に対応してきました。昔は抗生物質や抗ウイルス薬がありませんので、全ての感染症を漢方薬で治療していました。当然その時代に未知のウイルスもあり、漢の時代には著者一族の3分の2が死亡した感染症を治療する方法として「傷寒論」という有名な著書が作られました。明末~清初期の時代にも感染症が大流行して「温疫論」や「温病条弁」という有名な著書が作られました。このように漢方医学は未知の感染症との闘いの連続で、多くの治療法や漢方薬が開発されてきました。今回の新型コロナウイルスにおいても中国では、予防だけでなく重傷者の治療に漢方薬が有効であるということが報告されています。
予防法としては肺脾の気を高めること、胃腸を整えて湿を除くことが多く報告されています。 黄耆、板藍根、霊芝などを含む漢方薬や健康食品が効果的との報告があり、特に体表や粘膜を守る「衛気」を強化する黄耆が重要であると言われています。
発症して高熱や咳が出た場合は個々の状態(証)に合わせて漢方薬を使い分けますが、胃腸を整えて湿を除くこと、肺を潤し清熱解毒することが治療のポイントのようです。
新型コロナウイルスの対策については手洗いやうがいなどの予防が大切ですが、漢方薬で「衛気」を高めて抵抗力をつけることも一つの方法です。どのような漢方薬が良いかは漢方のプロにご相談ください。