生理痛は症状の軽い方からひどくて寝込んでしまう方まで様々です。多くの方は痛み止めを服用して症状を抑えていますが、繰り返している方は冷え性など体質的から改善した方がよい場合が多く見られます。
また、子宮内膜症により生理痛がおきている方も増えてきており、この場合はきちんとした治療が必要です。子宮内膜症とは子宮内膜がなんらかの原因で卵巣や卵管あるいは腹腔内などで増殖して癒着する病気です。漢方医学から見ると生理痛や子宮内膜症は淤血の典型と考えられています。
淤血とは血液の汚れ、滞りのことで痛む、しこる、黒ずむという3つの特徴があります。特に子宮内膜症は生理痛と黒っぽいレバー状の塊の混じった生理出血が見られまさに淤血の特徴と一致します。
淤血の生じる原因としては1.冷え2.ストレス3.過労などが考えられます。子宮内膜症の治療にはまず淤血を取り除く事から始めます。それには爽月宝や冠元顆粒、桂枝茯苓丸などを使いますが、1〜3の原因に合わせて漢方薬を併用するとさらに効果的です。
1のタイプは温経湯や婦宝当帰膠などを併用して体を温めます。
2のタイプは逍遥散やキュウ帰調血飲第一加減などを併用してストレスを和らげます。
3のタイプは十全大補湯や補中益気湯などを併用して体力を強化します。
掲載:マイドゥー 2000年11月号