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舌診について

 漢方医学が発達してきた時代はレントゲンやCTはなかったため、顔色や体型、舌、目といった見えるところや脈などの体表の触れる部分より体内の異常を客観的に診断する技術が研究されてきました。その中でも舌を見て体内の状態を判断する舌診は漢方医学独特の方法で、中国では漢方治療の際に必ず舌診が行われています。

 健康な人の舌は淡紅色で、大きすぎず適度な潤いがあり、表面には薄く白い苔が見え、舌全体が柔らかく自由に動かすことができます。このような状態でない人は体のどこかに不調があることが考えられます。

 舌の色から見ると、白っぽい人は冷え症の人が多く、赤みが強い人は体内に熱がこもっている人が多く見られます。舌の苔から見ると、白く厚い人は水の代謝が悪く胃腸が弱い人が多く見られます。舌の形から見ると大きくて歯形がある人は疲れやすく気が不足している人が多く、痩せて小さい人は血液や体液が不足している人が多く見られます。また舌の先や横に紫や褐色のしみや斑点が見られたり、舌裏静脈が紫に怒張しているときは血液の循環が悪く淤血という状態になっているので注意が必要です。

 実際の漢方相談では舌全体の色や形と大きさ、表面に生じる苔、裏側の静脈、舌の動きなどを総合的に見て、症状などとあわせて判断しています。舌の色や苔は体調によって変化しますので、毎朝舌の状態を見て自分の健康状態をチェックする習慣をつけてみてはいかがでしょうか?

掲載:マイドゥー 2001年6月号