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雲南手診研修記 −掌紋医学の名医・王晨霞先生を訪ねて−

 去る5月2日〜5月6日の期間、雲南省・昆明に研修に行ってきました。今回の研修の目的は、掌紋医学(手による診断)の名医・王晨霞先生に会って研修を受けることです。

 王晨霞先生は非常に忙しい先生で、今回は私たちのために北京に出張にいく日を1日ずらしていただきました。普通ではなかなか会えない先生ですが、寇華勝先生の人脈のおかげで会うことができました。

 さて、私は昨年8月より手相に興味を持ち、今年の4月まで自由が丘の手相教室・仙習院に通い、修了しました。手相は非常に奥深いのですが、基礎を学ぶと運勢や性格、適職、恋愛、財運、健康運などがある程度わかります。もちろん、経験や才能でより精度が上がります。しかし、漢方医学を専門とする私にとって、健康運については十分ではない印象がありました。

 手相教室に通っている間に、漢方の診断に手相を使っている漢方医についていろいろ調べました。その結果、中国に掌紋医学というものがあり、著書を書いている漢方医が数人いる事がわかりました。その中でも王晨霞先生が最も著書が多く、日本語の翻訳本もあり、来日したことがあることもわかりました。現在は日本の組織とは関わりないそうですが、書店を通じて翻訳本と中国での著書を8冊ほど購入して、読みました。しかし、本ではどうしてもわからないことがありますので、直接会いに行くことにしたのです。

 5月3日にお会いして、手の診察をしてもらい、講義を受けました。

 王晨霞先生の診察スタイルは、まずは手の掌紋を診て、素早く問題点を見つけます。その後に爪を診て、さらに舌と耳を診て、症状や病気を指摘して行きます。現在の症状だけでなく、過去の症状や遺伝的な疾患、将来に起こりうる疾患などについてもアドバイスします。スムーズな診察の流れとアドバイスに、魅了されました。

 講義では掌紋医学と手相の違いを強調していました。掌紋医学は、中国の古代の形象医学を参考にして、王晨霞先生が何万例にも及ぶ患者さんの観察から生み出したそうです。掌紋の異常で病気を見立てた後に、西洋医学の医師に検査をしてもらい確認するという作業を20年以上続けており、現在も発展しているということです。最初はとても苦労したそうですが、現在はかなり確信を持って診断できるようになったと話してくれました。

 掌紋医学には、手相の知識も役立ちますが、さらに中医学の知識、西洋医学の知識、チベット医学の三脈七輪の知識も必要ということでした。

 講義では私が疑問に思っていたことに丁寧に答えていただきました。講義のあとには夕食を一緒にとり、さらに自宅に招いていただき、いろいろ教えていただきました。いろいろなことが氷解するようにわかり、今後も手相・手診を続けていく確信が持てました。

 今回の雲南掌紋医学研修は非常に充実した内容で、紙面の関係で記載できないことも多くありました。これからも多くの方の役に立つために、漢方医学・掌紋医学を研鑽していきます。

掲載:マイドゥー 2009年7月号