がんと漢方薬(2)

漢方大辞典

漢方大辞典がんと漢方薬(2)

漢方薬はがん治療において様々なケースで効果が期待できます。特に手術後の体力増強と再発防止、抗がん剤や放射線の副作用の防止、ＱＯＬ（生活の質）を改善して自覚症状を和らげるなどの効果が優れています。またきのこ製剤と併用すると、免疫力を高める力を補い持続する働きも認められています。以下に代表的な症状と漢方薬を記載します。

手術後の体力回復と末期がんにおける体力の維持

十全大補湯、補中益気湯、参茸補血丸、双料参茸丸、バイオアルゲン、プロポリス

抗がん剤や放射線の副作用防止

食欲不振	六君子湯、補中益気湯、焦三仙
下痢	六君子湯、半夏瀉心湯、真武湯
嘔吐	半夏厚朴湯、旋覆花代赭石湯
白血球減少	十全大補湯、参茸補血丸
肝機能障害	柴胡桂枝湯、田七製剤
皮膚炎	養陰清肺湯、梔子柏皮湯、紅沙棘、紫雲膏
唾液分泌低下	養陰清肺湯、西洋人参、麦味参顆粒

手術後合併症の改善

術後腸閉塞	大建中湯、中建中湯、開気丸
食欲不振	六君子湯、補中益気湯、焦三仙
下痢	六君子湯、半夏瀉心湯、真武湯
術後不安感	加味逍遥散、半夏厚朴湯、帰脾湯
咳嗽・痰	麦門冬湯、清肺湯、滋陰降火湯

がんの再発防止

十全大補湯、補中益気湯、参茸補血丸、双料参茸丸　など

手術前後と漢方薬について

手術前後に漢方薬を服用すると、術後の回復が大変スムーズになります。

手術前	体力を増強し、がんの進行を抑え、手術への不安感を取り除きます。
手術直後	臓器の働きを改善して、癒着を防止します。
回復期	免疫を増強して、体力を回復し、再発と転移を防止します。

放射線治療前後と漢方総合療法について

放射線治療前後に漢方薬を服用すると、放射線の感受性を高め、効果があがります。

参考資料：漢方がん治療（主婦の友社）上手な癌との付き合い方（文芸社）

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