国際中医師試験は、中国政府(衛生部、国家中医薬管理局)が国際的に中医師(中国の漢方医師)を認定する試験制度として始まりました。
中医学の国際化についてですが、中国が改革開放政策を行うようになってから、海外から多くの人たちが中国に中医学を学びに来るようになりました。このような人たちの中には、十分に中医学の知識を持たないまま自国に帰り、中医師の看板を掲げて診療を行い、治療効果が悪かったり副作用を起こすような事態がおきました。
このような事態を重く見た中国政府は、香港やシンガポールの政府からの依頼を受けて当時数多く存在した自称中医師の資格基準を作るため、中医師の資格認定試験を実施しました。
この試験は国際中医師試験として発展し、日本においても1996年以降、毎年試験が実施されるようになりました。
私は1998年と比較的早い時期に試験に合格しております。その後毎年試験が実施されておりますので、年々合格者が増えてきております。
(国際中医師試験は2004年6月から国家中医薬管理局から世界中医薬学会連合会に移管されています。)
国際中医師は、日本での医療資格ではありません。ですから、国際中医師だからといって、日本で医療行為が出来る訳ではありません。
私も薬剤師の資格で薬局で漢方相談を行っています。残念ながら、日本には漢方専門の中医師という国家資格はないのです。
一方、中国には中医師という国家資格があります。中国には西洋医師と中医師の2種類の医師資格があり、お互いに協力して診療を行っています。私の店で漢方相談を行ってくださっている、寇華勝先生と林建豫先生は、中国では中医師として活躍しておりました。 しかし、日本では中医師は認められておりませんので、両先生とも来日後は、薬局での漢方アドバイザーや勉強会での漢方講師として活躍しているわけです。
国際中医師は、中国の中医師に近い経験と知識を持っているという事を証明する、検定試験と考えるとよいと思います。