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五臓について -漢方基礎知識-

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腎の病気と漢方治療

関連する疾患 腎炎、排尿障害、水腫、骨粗鬆症、耳鳴り、更年期障害

1.中国漢方で考える腎とは?

i 水を主る

水液代謝を調節する働きのことです。腎は体内で利用された不要な水液を膀胱へ運んで尿として排出させ、有用な水液は再吸収して肺へ上輸します。

ii 精を蔵す、生長・発育・生殖を主る

精とは生命の根元物質を意味しており、父母から受けた生まれつきの精を「先天の精」と言います。「先天の精」は食物から取り込んだ「後天の精」によって絶えず補給されています。
精は腎に蔵され、次第に充盛して生長・発育を促進します。思春期になり腎精が充実すると「天癸」が生じて女性は排卵・月経が、男性は精子の産生が始まります。
精は女性の7の倍数で、男性は精子の8の倍数で変化していきます。女性は49歳頃に「天癸」がなくなり閉経を迎えます。老化現象は腎精の充実度と関係が深くなります。

iii 骨を主り、髄を生じる、脳に通じる

精は集まって髄(骨髄・脊髄)を生じます。骨髄は骨格を形成して骨や歯を丈夫にし、脊髄は集まって脳になり頭目を聡明にします。

iv 耳に開く、二陰を主る、華は髪にある

腎は耳と経絡でつながっており、聴力に関係が深くあります。また腎精は髪の栄養と関係が深く、老化によって髪が抜けたり白髪になるのは腎精の衰えと考えます。
二陰とは尿道と肛門のことで排尿と排便の異常に腎が関係することがあります。

2.腎と関係が深い病気について

中国漢方で考える腎の主要な働きは、主水と蔵精です。この働きが乱れると、排泄(排尿)と内分泌(ホルモン)に関係する病気が発生します。よって腎と関係の深い病気は腎炎などの腎臓本体の病気のほかに排尿障害、夜尿症、前立腺肥大症、水腫、更年期障害、インポテンツ等と関係が深くなります。また腎と耳は経絡でつながっているので、耳鳴り、難聴などの耳の病気は腎から治療します。さらに腎は骨を主り髄を生じ脳に通じるため骨粗鬆症、骨髄性の貧血、健忘症、認知症なども腎と深く関係しています。