また、企業理念でもある地域医療への貢献のため、数年前から本格的に在宅医療にも力を入れて取り組んでいる。 「2015年10月、厚生労働省から『患者のための薬局ビジョン』が発表されましたが、違和感は全くありませんでした。以前に本店の近隣に在宅医療に力を入れている医師がおられたので、施設と50軒以上の個宅へ薬のお届けをしていた経験があったからです。その医師は現在は在宅訪問は減っていますが、一昨年より新たに別の在宅専門医と連携を取っております。昨年から在宅をシステムとして本格的に対応していくため、本店に在宅専門の部署を立ち上げました。担当課長には在宅専門医の往診に同行してもらっています。昨年は、日本在宅薬学会理事長・狭間研至先生をお招きした勉強会を実施することができました。何人かの薬剤師が刺激を受け、自主的に在宅の勉強をやらせてほしいと申し入れがあり、薬剤師のやる気を感じています」。 「現在、2店舗で基準調剤加算2を取得できているのも、在宅医療に力を入れてきた結果だと思っています。いずれは、在宅専門の部署で独立採算ができるようにしたい」と小島氏は語る。
「人材は宝」と考え、長年、教育に力を入れてきた同社。マンツーマン教育を基本に、新卒薬剤師を指導することで、入社3年目には管理薬剤師として活動できるレベルにまで成長させると共に、処方せんと漢方薬を共に学べる勉強会をきめ細かく開催しているもの特徴的だ。主な勉強会は、漢方研修会(毎月)、全社員研修会(年4回)、兄弟会社、ピーエフシー株式会社との合同研修会(隔月)、事務研修会、薬剤師会研修会などで、外部の研修会にかかる費用は一部会社負担もしている。 「弊社では、事務職員にも『医療人であれ』という指導をしています。医療事務だけでなく医療人として相談に乗り、薬剤師と一緒に店舗の運営に参加しているという意識を持ってもらうために、4年程前から登録販売士の取得を推奨し、手当もつけているため、ほとんどの事務職員が取得をしています。薬剤師には、3年程前から認定薬剤師取得者には手当をつけています。また、本年度から、かかりつけ薬剤師手当を創設し、認定の取得のための研修や更新にかかる費用を会社で負担することとしています」。 社員の「物心両面の幸せ」を目指している同社では、給与面はもちろんのこと、薬剤師の資質を高めることで、より地域医療に貢献できることになると考えている。 「キャリアプランの薬剤師教育の中で、認定資格の取得を推奨してきました。一人でも多くの人にかかりつけ薬剤師として登録をしていただき、地域の患者さまに当薬局をかかりつけ薬局にしていただくという意識を持って努力を続けていきたいと思っています。また、やりがいをもって楽しく真剣に働いていただくために、福利厚生も充実させています。5年、10年、15年と勤務年数でランクアップをしていき、福利厚生施設の宿泊をプレゼントしたり、社員旅行を実施するなどしています」。